1986 年 96 巻 11 号 p. 1095-
いわゆる皮膚混合腫瘍13症例について酵素抗体法を用いて腫瘍構成細胞の性状を検討した.3症例について電顕的検索も行なった.S-100蛋白,keratin,myosin,carcinoembryonic antigen(CEA)secretory component(SC)に対する各抗体を検索に使用した.(1)腫瘍を構成する一部の細胞はS-100蛋白,keratin,myosinに陽性で筋上皮細胞様性格を有すると考えられた.(2)腺管部ではCEA,SCも陽性であり,エックリン汗管および分泌部への分化を認めた.(3)間質部においてもS-100蛋白,keratinおよびmyosin陽性細胞が間質内に孤立性に存在し,腫瘍細胞であることが電顕的に確認された.