日本皮膚科学会雑誌
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アフロクァロン(アロフト)による光線過敏型薬疹の2例
上出 良一澤田 俊一山岸 玲子望月 恵子
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1986 年 96 巻 12 号 p. 1253-

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抄録

最近発売された筋弛緩剤であるアフロクァロン(アロフト)内服約1ヵ月後より日光裸露部に紅斑を生じた2例につき報告した.本剤による日光過敏症の報告はこれまでにはない.光パッチテストは症例1のみ陽性.内服,光線照射による誘発試験は2例共陽性でアフロクァロンによる光線過敏型薬疹と診断した.モルモットを用いた光毒性試験ならびに赤血球に対する光溶血試験ではアフロクァロンそのものに光毒性は認められず,その発症機序として症例1では光アレルギー性,症例2では代謝産物による光毒性の可能性が考えられたがその詳細については今後更に検討を加える必要があると思われた.

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© 1986 日本皮膚科学会
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