日本皮膚科学会雑誌
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全身性強皮症患者における直腸肛門機能
水谷 仁清水 正之天野 信一塚本 能英鈴木 宏志
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1986 年 96 巻 5 号 p. 509-

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抄録

PSS患者19例の直腸肛門機能を検索し,健常成人24例を対照して比較検討した.直腸静止内圧,肛門管長はPSSと対照間に差が無く,括約作用の指標となる肛門管内圧がPSSにおいて低い傾向をみた.またPSSは直腸の圧感受性の指標となる直腸肛門反射を惹起する直腸内圧は正常であるのに対し,貯留能の指標となる直腸肛門反射惹起容量は明らかに低下を示した.更に直腸の伸展性を示す指標として直腸コンプライアンス(RC)を測定し,PSSでは有意の低下をみた.RCは皮膚硬化範囲,指硬化度に比例して低下する傾向をもつほか,抗Scl-70抗体陽性例では著明に低値を示した.また抗SS-A抗体陽性例及びシェーグレン症候群合併例においても著しいRC低下例をみとめた.食道機能との関係では機能異常例にRCが低い傾向を示したが,食道機能が比較的保たれている症例にもRCの低下が認められた.本法はPSSの内臓病変の感度の高い定量的検査法として,疾患の早期診断や経過観察に有用性が期待出来る.

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© 1986 日本皮膚科学会
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