日本皮膚科学会雑誌
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若年性黒色腫の微細構造的および細胞化学的研究 Ⅰ:特に臨床的色調とmelanosomeの関連性について
坂本 ふみ子
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1986 年 96 巻 7 号 p. 685-

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抄録

若年性黒色腫の12例について,微細構造的および細胞化学的に検索し,以下の結果を得た.1.若年性黒色腫細胞に,球形ないし類円形のmelanosomeが多数認められた.長楕円形のmelanosomeは少なかった.2.球形ないし類円形のmelanosomeは,微細構造的にpheomelanosome,または“mosaic” melanosomeと,また,長楕円形のmelanosomeは,eumelanosomeにそれぞれ類似していた.3.腫瘍細胞内には未熟型のmelanosomeが多く,すでにmelanosome complexの形成が認められた.4.臨床的色調は,淡赤色,淡褐色,赤褐色,黒色などであったが,特に赤褐色の腫瘍ではmelanosomeはほとんどが球形であった.5.球形のmelanosomeの存在は,腫瘍細胞内のmelanosomeの崩壊,melanosomeの未熟性とともに,若年性黒色腫の臨床的色調の多様性に関与していることが示唆された.

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© 1986 日本皮膚科学会
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