SSSS患者より分離した黄色ブドウ球菌をTrypticase soy brothにて培養した培養液と,0~25mMのN-ethylmaleimideを混合し,生後2日目のマウスの皮下に注射し,12時間後に生じるニコルスキー現象の有無を観察した.この結果,5mM以上の濃度のN.E.M.では,ニコルスキー現象は完全に阻止され,1mMでも注射部位を中心として小範囲にみられるのみであった.また,N.E.M.と培養液の混合液をあらかじめ充分透析し,N.E.M.を除去しておくと,再びニコルスキー現象を生ぜしめた.以上の結果から,SSSSの発症にはExfoliative toxinの作用により活性化されるCysteine系のProteinaseの関与が強く示唆された.