ロイコトリエンB4(LTB4)の持つ強力な好中球誘引作用を利用して白癬に対するLTB4外用療法を行った.合成LTB4(10μg/ml50%エタノール)を4例の臨床形態の異なる白癬患者皮疹部に週1回づつ塗布した.皮疹の大きさに応じて5~90μl用いた.その結果踵部後面の角化性紅斑局面は5週間で,趾間浸軟型皮疹は7週間で完治した.足底に多発する小水疱,小膿疱のそれぞれは2週間で消失した.体部の隆起性環状紅斑は1回の外用のみで大部分が消失した.いずれにおいても特に副作用は認められなかった.以上よりLTB4外用は今後表在性白癬に対する治療法の1つとして用いられ得るものと思われた.なお,LTB4を治療薬として用いたのは世界的にもこれが最初である.