皮内テストおよびRASTで,鶏卵に対し種々の程度の反応を示したアトピー性皮膚炎患児35名の血清を用いて,母親の皮膚で鶏卵によるP-K試験と経口P-K試験をおこなった.P-K試験は皮内テスト陽性者の73.7%,同陰性者の18.8%,RAST陽性者の72.7%,同陰性者の7.7%に陽性であった.経口P-K試験は,P-K試験陰性者には起こらず,同陽性者の41.2%に陽性であった.また皮内テスト陽性者の36.8%,RAST陽性者の31.8%に陽性反応を認めた.したがって卵アレルギーのあるアトピー性皮膚炎患児のかなりの割合において,卵摂取によって消化管から吸収されて皮膚に到達する卵アレルゲンとⅠ型反応を起こすに充分なIgE抗体が血清中に存在するものと考えられる.