日本皮膚科学会雑誌
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培養表皮細胞を用いた表皮シートの作製―移植のための基礎的検討―
小林 敬三大塚 藤男張 俊祥石橋 康正森川 実
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1988 年 98 巻 12 号 p. 1183-

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抄録

5例の健常皮膚片から分離した表皮角化細胞をSwiss mouse3T3細胞上で培養した.何れの表皮細胞も3代以上の継代培養が可能であった.同細胞は3~4層に重層して表皮様の構造を呈し,dispase処理にてシート状のままフラスコ底面から剥離し,培養表皮片を作製することができた.初代培養および1回目の継代培養後,即ち培養開始16~28日後には採取した皮膚片の100~1,000倍の面積の培養表皮片が得ることが可能であった.我々の所見は本邦皮膚科領域において培養表皮片の移植を行うに必要な基礎的知見を提供するものと考えた.

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© 1988 日本皮膚科学会
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