日本皮膚科学会雑誌
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風疹におけるLDH isozyme patternの臨床的意義
瀬在 由美子永島 敬士
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1989 年 99 巻 7 号 p. 811-

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抄録

昭和62年1月から3月までの間に旧国鉄寮にて集団発症した20歳代,男136例の風疹症例について血液,生化学的検査を経時的に施行した.その結果,LDH isozyme検査で風疹の際には特徴のある2つのパターンを呈することがわかった.すなわち,LDH3が最大分画を示すLDH3 dominant patternとLDH3の上昇に加えてLDH5がLDH4より多いLDH3 dominant+LDH5>LDH4 patternであり,ピーク時には前者は90.4%(5~6病日),後者は17.6%(9~13病日)の症例に認められた.その他の検査成績では,ピーク時に白血球数減少26.4%(1~2病日),血小板数減少38.7%(1~2病日),LDH上昇94.3%(5~6病日),GOT上昇32.4%(5~6病日)とGPT上昇48.5%(9~13病日)が認められた.このLDH3上昇は,自験例において血小板数とLDH3に負の相関関係が認められること,自験例のLDH isozyme patternと血小板破壊浮遊液のそれとはよく一致していることから,風疹ウイルス感染による血小板破壊に由来するものと考えた.また,LDH5上昇は,自験例においてGPTとLDH5に正の相関関係を認めることから,風疹ウイルス感染による肝細胞障害に由来すると考えた.以上のことから,LDH isozyme検査は風疹時における従来の血液,生化学,免疫学的検査に加え,風疹の早期診断および肝障害の診断にきわめて有用であると結論した.

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© 1989 日本皮膚科学会
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