日本皮膚科学会雑誌
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尋常性天疱瘡皮膚における補体membrane attack complexの形成
川名 誠司塚本 宏太郎西山 茂夫
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1989 年 99 巻 7 号 p. 833-

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抄録

尋常性天疱瘡患者1例の皮膚における補体,とくにmembrane attack complex(MAC)の沈着を経時的に観察した.その結果,IgGと,C3までの補体のearly componentsの沈着は皮疹部,健常部ともに表皮細胞間(ICS)に陽性で,単にこれらの沈着だけでは水疱の形成につながらないことが示唆された.一方,MACの沈着は経過中つねに皮疹部に認められ,同時に採取した健常部にはなく,棘融解はMACのICSにおける存在に一致して認められた.また血中の補体結合性抗体は水疱形成の著明な時期に一致して上昇し,さらにこの抗体による補体の活性化は最終的にMACの形成に到ることが明らかとなった.以上の所見から,この症例の場合ICSに沈着した補体結合性天疱瘡抗体によって補体が活性化され,その結果生じたMACが病変の形成に関与したことが示唆される.

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© 1989 日本皮膚科学会
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