Diatom
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論文
海産二極性中心珪藻Pseudoleyanella lunataにおけるdiatotepumの観察を伴う形態学および系統学的研究
中村 憲章湯浅 智子真山 茂樹
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 32 巻 p. 1-10

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抄録

Pseudoleyanella lunata Takanoは背腹性の被殻を持つCymatosira科に属する海産種である。本研究では,P. lunataを,その生活環を通して詳細に観察し,細胞分裂に伴う葉緑体の挙動,殻の形成過程,細胞サイズの変化に伴う形質の安定性と変異を明らかにした。殻形はサイズが減少すると,背腹性が弱くなり,最後には円形になった。小型の細胞では帯面観は長方形であったが,増大胞子形成後の長大な被殻ではLeyanellaと同じように帯面観が屈曲していた。しかし,生活環を通して糸毛,管状突起は形成されなかった。分子系統解析では,Cymatosira科の中でP. lunataL. arenariaは姉妹種として示された。また,本研究では被殻を裏打ちするdiatotepumの全形を観察した。Diatotepumは半被殻全体を裏打ちする袋状の構造体であり,トルイジンブルー水溶液によって染色された。透過型電子顕微鏡(TEM)観察では,殻面を裏打ちする部位で胞紋の模様と一致する高電子密度の点状紋様が,また,半殻帯を裏打ちする部位では各帯片の内側の縫い目と一致する線状の紋様が観察された。

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© 2016 日本珪藻学会
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