2016 年 32 巻 p. 47-55
栃木県に分布する中期更新世の湖成堆積物である塩原層群宮島層から産出した新種化石珪藻Stephanodiscus akutsui sp. nov.を記載した。本種は殻面が円形で同心円状に波打ち,殻套は薄い。殻縁部の束線は2~3列の胞紋からなる。殻面有基突起は0~2つで2または3個の付随孔を伴い,唇状突起は1つである。また,しばしば刺を用いて鎖状に連結していることで特徴づけられる。これらの形態学的特徴の組み合わせは他種と一致しない。よって,著者らは本種を新種として提案する。