薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
ツロブテロールテープ剤の体内動態(第2報):ラットにおける反復貼付後の吸収,分布および排泄
村田 光夫高木 毅奥村 公紀高原 栄二永田 治
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1996 年 11 巻 6 号 p. 627-633

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抄録

14C-ツロブテロールをラットに反復経皮投与し,吸収,分布および排泄について検討した.
1) 雄性ラットに14C-ツロブテロールを10mg/kg1日1回7日間反復経皮投与したときの血液中放射能濃度の最低濃度は4日目以降ほぼ一定しており,定常状態に達していると考えられた.最終回投与後は5時間でCmax506.1ng eq./mlに達した.このときのT1/2は19.4時間であり,単回投与時(15.7時間)とほぼ同等であった.
2) 7日間反復投与後4時間では単回投与時同様貼付部皮膚,肝臓および腎臓に比較的高い放射能が認められた.各組織中放射能濃度は単回投与後に比べて高い傾向を示したが,血液中濃度と同様な推移で減少し,残留性を示す組織は認められなかった.
3) 尿および糞中への放射能の排泄は投与期間中一定していた.7日間反復投与後168時間までに尿,糞へそれぞれ53.8%,36.3%排泄された.総回収率(尿,糞およびテープ中薬物残存の合計)は98.6%であった.

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