薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
Buprenorphine Hydrochloride(BN・HCl)の体内動態(第2報):TSN-09(BN・HClを含有するテープ)からのBN・HClの経皮吸収過程に及ぼす角質層の影響
高橋 康弘石井 成幸有薗 宏教西村 真一斎藤 典之根本 裕之吉田 賢二江角 凱夫
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2001 年 16 巻 6 号 p. 584-589

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抄録

3H-BN・HClを正常皮膚ラットに経皮投与した際の投与部位皮膚におけるミクロオートラジオグラフィーを検討した.また3H-BN・HClを損傷皮膚ラットに経皮投与し,正常皮膚ラットおよび皮下投与時の血中動態と比較することにより3H-TSN-09から放出された3H-BN・HClの吸収過程に及ぼす角質層の影響について検討し,以下の結果を得た.
1.正常皮膚ラットに3H-BN・HClを経皮投与した際の投与8時間における皮膚(投与部位)のミクロオートラジオグラムより皮膚中放射能は主に角質層に分布することが明らかとなった.
2.損傷皮膚ラットに3H-BN・HClを経皮投与した際のCmaxは投与後5時間に認められ,t1/2は5.5日であった.損傷皮膚ラットのAUC0-∞は,正常皮膚ラットの約4倍であった.
3.損傷皮膚ラットに3H-BN・HClを経皮投与した際のCmaxにおける変動係数は,正常皮膚ラットの約1/3であった.
4.以上のことから3H-BN・HClの経皮吸収の際,3H-BN・HClは主に角質層を経て吸収され,角質層は1)3H-BN・HClの経皮吸収速度の減少とそれに基づく吸収量の減少,および2)血液中濃度の個体間変動を生じる2つの役割を担っていると考えられた.

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© 日本薬物動態学会
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