抄録
14C-塩酸ロプリノンをイヌに単回静脈内投与した際の血中濃度,分布,代謝,排泄について以下の結果を得た.
1)全血,血漿および血球中放射能濃度は2相性を示し,投与後24時間で検出限界以下まで減少した.血球への移行性は約13%程度と低かった.また,血漿の消失半減期はλ1相が23分,λ2相が5.1時間であり,投与後24時間までのAUCは0.875μg eq.·hr/mlてあった.
2)In vitroにおける血漿蛋白結合率は濃度にかかわらず約70%程度であった.
3)組織への移行は速やかであり,投与後5分の値がほとんどの組織で最も高い濃度となった.また,組織からの消失も眼の一部を除き速やかであり,残留性はほとんど認められなかった.
4)本化合物の代謝物としてイミダゾピリジン環が開裂したアミン体と未変化体のO-エノール型がグルクロン酸抱合された抱合体の2種が同定された.しかし,主要組織における主存在形態は未変化体であり,代謝を受けにくい化合物であることが示された.また,尿,糞中の主存在形態も未変化体であり,排泄された総放射能の90%以上は未変化体であった.
5)尿および糞中への放射能の排泄率は,投与後24時間までに投与放射能のそれぞれ44.7および50.1%であり排泄は速やかであった.また,投与後96時間までに99.7%が排泄されたことより本化合物の残留性がほとんどないことが示された.