薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
HSR-803の体内動態(第3報) : ラットおよびイヌにおける代謝
山田 健久塚田 敏孝高木 毅高原 栄二永田 治
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1994 年 9 巻 3 号 p. 341-350

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抄録

14C-HSR-803および非標識HSR-803を用いてラットおよびイヌにおける代謝について検討した.
1.非標識HSR-803をラットに経口投与して得られた尿から未変化体以外に酸化的脱メチル化を受けたN-脱メチル体(M1),M1よりメチルアミノ基が脱離したのちさらに酸化的脱アミノ化を受けたカルボン酸体(M3)およびジメチルアミノ基のN-オキシド(M2)が同定された.
2.14C-HSR-803をラットに静脈内投与した時の血清中代謝物の定量を行った結果,投与後1時間にCmaxを示す代謝物M2が出現し,以降未変化体と同レベルで推移した.また,14C-HSR-803をラットに静脈内投与もしくは経口投与した時,血清中には未変化体とM2が同程度存在したが,検討したすべての組織において未変化体が大部分を占めていた.
3.14C-HSR-803投与後のラットおよびイヌの尿,胆汁中には未変化体以外にM1,M2,M3の代謝物すべてが存在した.また,いずれの試料においてもM2が最も多く存在した.ラットではイヌと比較して未変化体の存在比が高かった.

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