動物臨床医学
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原著
伴侶動物として飼育されている猛禽類からエンテロトキシン産生大腸菌の分離と薬剤感受性
片岡 康武藤 能忠伊澤 伸元原田 和記澤田 拓士
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2015 年 24 巻 3 号 p. 111-118

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抄録

2007~2008年に伴侶動物として飼育されている猛禽類122羽からクロアカスワブを採取し,サルモネラと大腸菌の保菌状況を調べた。サルモネラはすべての検体から分離されなかった。一方,大腸菌は122羽中98羽から分離され,O群型別によりO8が9株,O1が3株,O168が3株,O86が2株,O128が1株であった。タカ目から分離された大腸菌62株中37株(59.7%)がVero毒素産生大腸菌であり,1株(1.6%)が易熱性エンテロトキシン産生大腸菌であった。またフクロウ目から分離された大腸菌36株中17株(47.2%)がVero毒素産生大腸菌であり,7株(19.4%)が易熱性エンテロトキシン産生大腸菌であった。タカ目とフクロウ目から分離された大腸菌の薬剤感受性パターンを比較したところ,タカ目から分離された大腸菌62株中33株(53.2%)が感受性株であり,フクロウ目から分離された大腸菌36株のうち感受性株はわずかに5株(13.9%)しか認められなかった(P<0.05)。

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