2015 年 24 巻 3 号 p. 138-140
全身麻酔を受ける看護動物の看護を考える中で,犬の体圧は分析されているが,現代の獣医療において主要な看護動物である猫の体圧は研究されていない。そこで本研究では,全身麻酔下仰臥位の猫における,体圧高値部の把握を行った。さらに,体圧高値部位の減圧のため,低反発ウレタンマットを用いた検討を行った。その結果,仰臥位の猫における体圧高値部位は,頭部,肩甲骨部,腸骨部であった。加えて,手術台に対する上顎の角度が異なれば,体圧値は変化するという示唆を得ることが出来た。また,体圧高値部位の減圧を目的で低反発ウレタンマットを用いることは,有効であることが考えられた。しかし,4 kg未満の個体では,減圧効果がみられない部位もあった。今後,体重と減圧効果の関係についても検討が必要であると考える。