2019 年 28 巻 4 号 p. 144-149
上部消化管内視鏡を実施した犬を血漿アルブミン(Alb)濃度から3つの群に分類し全身麻酔管理について比較検討を実施した。膠質浸透圧では3群間に有意差が認められたものの, 麻酔中の心拍数, 平均動脈血圧, 呼気終末二酸化炭素分圧, 直腸体温, 呼気終末イソフルラン濃度, 麻酔導入に必要なプロポフォール投与量, 覚醒時間, ドパミンおよび輸液投与速度については3群の間に有意差は認められなかった。本麻酔法における心拍数, 平均動脈血圧の管理について血漿Alb濃度が1.0〜3.2 g/dlの範囲では低Alb血症による明らかな影響は確認されなかったが, 低Alb血症の症例群にはドパミン投与が有効である可能性が示唆された。