動物臨床医学
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症例報告
術後メトロノミック療法を実施した乳腺癌臨床病期ステージⅢの猫の3例
澤 康二郎澤 慎太郎澤 邦彦
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2020 年 29 巻 2 号 p. 74-77

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抄録

臨床ステージⅢの猫の乳腺癌に対し術後の補助化学療法としてシクロフォスファミドを用いたメトロノミック療法を実施した。3症例の術後生存期間はそれぞれ271日,814日,261日であった。これらの結果は外科単独療法が行われたステージⅢの症例の生存期間に比べて長かった。全ての症例において治療中に明らかな副作用は確認されずQOLは良好に維持された。さらなる症例の積み重ねが必要であるが,シクロフォスファミドを用いたメトロノミック療法は猫の乳腺癌に対する術後の補助化学療法の選択肢の一つとなりうる可能性が示唆された。

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