2007 年 78 巻 5 号 p. 507-510
クルクミンシュウ酸法によるホウ素の吸収ピークは545nm付近にあるとされるが,土壌の熱水抽出液の測定では吸収ピークが明瞭ではなく545nmより短波長側にさらに大きな吸収が認められた.塩酸を添加して発色させると,この短波長側の吸収が抑制され,一方でホウ素の分析波長には影響が少ないと認められ,545nm付近の吸収ピークが明瞭になった.供試液1mLに対し塩酸を0.6mmol添加することで,クルクミンシュウ酸法の簡便さを損なうことなく分析精度を向上することができた.