日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
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WRB 2014の新基準がわが国の粘土集積層を有する赤黄色土および暗赤色土の分類学的位置づけに及ぼす影響と既存データによる分類の可能性
前島 勇治神田 隆志高田 裕介大倉 利明小原 洋
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2019 年 90 巻 1 号 p. 61-68

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抄録

粘土集積赤黄色土11断面,粘土集積石灰性暗赤色土5断面および粘土集積酸性暗赤色土4断面を用いて,WRB 2006およびWRB 2014のRSGへ読み替えを行ったところ,WRB 2006でAlisolsに分類された7断面のうち,2断面のBt層がEBS≧50%を示し,WRB 2014ではLuvisolsやLixisolsに移行した.また,6断面についてArgic horizonの基準の見直しやキーアウト順の変更に伴うRSG名の変更が生じた.既存データによる分類キーへの代替可能性については,y1と交換性Alの間に有意な正の相関関係が認められたことから,y1から交換性Alを推定し,ECECを算出できることが明らかとなった.また,pH(KCl)が4.4以上の場合,交換性Alをtraceあるいは0とみなしECECとEBSを算出可能であるが,pH(KCl)が4.4未満であれば,交換性Alを実測あるいは考慮する必要がある.さらに,BSとEBSの間に有意な正の相関関係が認められたことから,包括1次試案からWRB 2014への読み替えの際に利用できる可能性が示唆された.今後,y1と交換性Alの関係あるいはBSとEBSの関係について,データを集積し,わが国の粘土集積赤黄色土および類縁土壌への適用の可能性を検討する必要がある.

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© 2019 一般社団法人日本土壌肥料学会
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