抄録
新聞記事の一つ一つをとらえてみれば,それは単に個々の断片的事実を知らせるものにすぎないかも知れない。しかしこれをある一定の観点から系統的に整理し,必要な加工を行ない,かつ問題の筋道を探りだす分析処理を施せば,個々の断片的事実をこえた新しい認識をうることができる。その手法は特別なものがあるというよりも,多くの事実,多くの情報の中から,課題に沿った論理を導きだすというリサーチの基本的活動をたまたま新聞というごく一般的な情報ソースに適用してみたにすぎないという方がむしろ適切である。本稿は新聞記事をもとにして,どのような加工分析が可能であるか,その種類や問題点について経験的にとりまとめたものである。