抄録
小学校学習指導要領では、小学校の通常の学級における発達障害を有する児童への配慮・支援が重要視されている。本稿では、小学校道徳科での発達障害を有する児童の困難とその解消のために行われている配慮・支援の実態を明らかにすることを目的とし、1つの市の全小学校の通常の学級の担任教員を対象に「『特別の教科 道徳』の指導方法・評価等について(報告)」の内容を用いて質問紙調査を行った。その結果、学習障害の傾向のある児童には、語彙不足を補うような配慮・支援が行われており、ADHDの傾向のある児童には、短時間で活動を区切りメリハリのある活動を取り入れるなどの配慮・支援が行われていた。その他にもICT機器が活用されていたり、特別支援教育コーディネーター等と連携した個別指導や補習的学習が行われていたりする実態が明らかとなった。一方で、今後の研究課題として、道徳科の教科特性を活かした配慮・支援の検討の必要性などが挙げられた。