抄録
本稿では、答えが1つではない道徳的な課題と各教科等との有機的な関連を道徳科で機能させるための方策として、「現代的な諸課題」に対応した道徳科の学習を取り上げ検討した。まず、「現代的な諸課題」がどのような経緯で提示され、学習指導要領に位置づけられたかについて、内容を概観した。そして、他教科等に先行する形で改訂された「特別の教科 道徳」における位置づけについて考察した。そのうえで、「現代的な諸課題」に対応した学習において、道徳科がどのような役割を果たすことができるのかについて、具体的な授業実践を通して検討した。『学習指導要領解説 特別の教科 道徳編』において「現代的な課題の扱い」として取り上げられているこの内容について考察することで、従来の「道徳の時間」の学習からの質的転換を図るための視座を得ることを目指した。