抄録
ディサースリアの音声障害に対して,現在用いられている音声治療技法について,これまでの治療効果に関す
るシステマティックレビューとメタアナリシスをもとにその有効性を検討した.その結果,ほとんどの技法には十分
な疫学的根拠が認められていないことがわかった.今後,さらに症例数を増やすことや洗練された臨床研究デザイン
を用いて研究することなどが求められる.くわえて,治療効果をあげるために米国ではブートキャンプと呼ばれる超
集中型訓練の開発や訓練のドロップアウト症例を減らす目的で動機づけ面接法などが取り入れられている.本稿では,その紹介をする.