抄録
一側性上位運動ニューロン性(unilateral upper motor neuron ; UUMN)ディサースリアに対して有効な言
語治療手技については不明な点が多く,ことに臨床経過については内外においてほとんど検討がなされていない.本
論ではUUMNディサースリア1例に対してconstraint-induced movement therapy(CIセラピー)とリズミック・
キューイング法を実施し,その有効性について検討した.臨床経過より,いずれも有効であった.また,国際生活機能
分類(International classification of functioning, disability and health;ICF)に基づいて体系的に治療を進めたこ
とによって効率的に各レベルで時宜に適った治療効果を得ることができたものと思われ,その重要性が示唆された.