20 巻 (1982) 1 号 p. 43-50
これまでの環境-植物系の解析において, 応答曲線の利用はきわめて限られたものであった.この理由は, 種々考えられるが, 次にあげるものが重要であろう.第1にデータ収集のために, 比較的長期にわたって環境が一定の条件区をいくつも維持しなくてはならないが, これが困難であることが多い.第2に, 応答関数として不適なものを利用してきた.これらの応答曲線利用上の隘路を, 変動環境下のデータも利用でき, また応答関数としてより適切な関数を利用できる方法を開発したことにより打破できた.この方法により, Paphiopedilum insigneの花成の温度応答を非対称ガウス関数を用いて表わした.この関数の4個のパラメータは, 一般的に最大応答, 最適温度, 温度耐性, 好適温度範囲を表わすと考えられ, 本植物の花成の温度応答特性は, 狭適応性耐高温性中温性であることがわかった.これらのパラメータを植物の生態的特性の分類に利用できる可能性を示した.