生物環境調節
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ナス・ピーマンの育苗とその生産力に関する研究 (第5報) ナスにおける育苗期の温度と肥料の影響
楼 恵寧加藤 徹
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25 巻 (1987) 3 号 p. 91-96

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抄録

ナスの育苗に対する育苗期の重要な環境条件の一つとしての温度と施肥量の影響をみるために, 昼温, 夜温を3段階に分け, さらに施肥量をかえて, 少肥区 (3要素とも2kg/a) と多肥区 (少肥区の倍量) とを設けて, 組み合わせ, 18処理区を設けて試験を行った.
昼温30℃は同25℃と20℃より, また, 多肥区は少肥区より苗の生育が旺盛で, 乾物重が多かった.昼温が同じ場合では, 夜温が20℃ないし15℃のほうが苗の生育がよかった.苗の乾物分配率からみると, 昼温25℃, 夜温が20℃ないし15℃, そして少肥条件で育てられた苗は根への乾物分配率が多く, 茎への分配率が少なく, S/R値がもっとも小さい苗となった.このような苗は定植後の生育もよく, 収量がもっとも高かった.
定植時の苗の, S/R値と収量との間に高い相関関係が認められた.すなわち, 定植時, S/R値が小さい苗は定植後発根力が強く, 多くの太根が形成され, 収量が高かった.
また, 太根根数と収量との間にも高い相関関係が認められた.定植後太根が多く形成された株は収量が高く, 収量が低い株では太根が少ない傾向がみられた.
以上から, 苗の素質は定植後の生育および収量にまで影響を及ぼし, 苗の素質の指標として, S/R値が使用できるように思われた.

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© 日本生物環境工学会
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