応用生態工学
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Print ISSN : 1344-3755
事例研究
景観生態学的アプローチにおいて都市化の指標として用いられる人口密度と都市的土地利用の関係とその地域差
斎藤 昌幸土屋 一彬倉島 治伊藤 元己
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2018 年 20 巻 2 号 p. 205-212

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抄録

本研究では,人口密度と都市的土地利用割合の関係が都道府県によって異なるのかどうかを3 次メッシュ単位で解析した.まず,既存の人口密度と土地利用による基準値を用いて都市メッシュ数を算出したところ,多くの都府県で都市的土地利用より人口密度による基準で都市メッシュ数がやや多くなる傾向にあったが,北海道では人口密度による基準値のほうで都市メッシュ数が少なかった.都道府県ごとに人口密度と都市的土地利用割合のピアソンの相関係数を算出したところ,平均 0.82 という高い値が得られたが,北海道や岩手県では 0.6 前後という比較的低い値が得られた.このような違いが木本種数の予測モデルに影響を及ぼすのか関東地方と北海道を事例に解析したところ,関東地方においては人口密度が有意な変数として推定されたが,北海道においては関東地方と反対の結果が得られた.都市化の指標として人口密度や都市的土地利用割合を用いる際には,それぞれの指標には高い相関があるものの,その関係に地域差が存在することを認識する必要があるだろう.

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© 2018 応用生態工学会
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