応用生態工学
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事例研究
狩野川における 30 年間の水質変化
加藤 憲二久保 篤史宗林 留美岩田 智也知花 武佳大場 浩樹岩越 俊樹真鍋 尚司竹内 昭浩中田 篤史森 康二村井 展子塚越 哲
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2025 年 27 巻 2 号 p. 109-118

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抄録

狩野川は伊豆半島中央部の天城山系を源流とし,富士山麓に向かって伊豆半島を北上し駿河湾に流れ込む幹川流路延長約 46 km の一級河川である.集水域の年間降水量は上流域の湯ヶ島観測所で平均 2,830 mm に達する.1990 年から 2019 年にかけて過去 30 年間の狩野川の水質変化について公開データを対象に解析した結果,有機物汚濁を示す指標である BOD の値に上流から下流にかけて検討されたすべての地点で明らかな減少傾向が認められた.COD や SS の減少傾向にもこれと矛盾はなかった.測定された他の水質成分である pH と DO の変化から,有機物汚濁の減少傾向を河川内部の要因に帰すことには無理がある.これに対し,集水域における下水処理が BOD の減少をもたらしたと考えることが自然であり,中・下流域の人口稠密地帯を対象とした下水処理施設の稼働の進展などに因ると推察された.

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