少子高齢化による人口減少は地方においてはより深刻であり,労働力人口の確保や婚姻率,出生率の上昇を図るためにも,地方県では若年者の地域外流失を減少させる政策に力を入れている。若年者の地域外流失を抑制するためには新規大卒者のUターン就職の促進が有効であると考えられる。本研究は新規大卒者が地元へのUターン就職を考える場合にどのように就職先を探索し自分の希望に即した進路を見出すのか,またUターン就職希望者に対する地方自治体や大学のUターン就職支援策は,若年者のキャリア形成の観点から有効に作用しているのかを大学生や地方自治体のUターン就職促進部署,進学先の都市部の大学でのヒアリング調査から分析したものである。