2016 年 35 巻 35 号 p. 90-94
米国で開発されたTest of Economic Literacy Fourth Edition(TEL4)を翻訳・翻案し,TEL4日本語版を作成した。これを日本の高校生と大学生を対象に2014年から2015年にかけて実施した。これによって,日本の高校生・大学生の経済リテラシーの現状として,第1に高校生と大学生には,経済の基本的な概念(機会費用等),起業家,公共財,GDP,金融など理解度の低い経済概念があることを指摘した。第2に高校生と大学生の平均得点に有意差が見られないことが判明した。経済リテラシーをより定着させるためには,生徒・学生が自ら考え自分の言葉で説明し討論するような学習が必要である。