2017 年 36 巻 36 号 p. 14-18
中等学校は学力格差があり,必然的にユニバーサルな授業が不可欠とされる。なぜなら,学力上位層に視点を当てると授業は崩壊し,学力下位層に当てると,「内職」が蔓延するからである。社会科教育,とくに経済教育は,日常生活を紐解き,分析し,その背後にある「みえない」ものを探究するものである。そのことから,他教科と比較してユニバーサルな授業が可能である。従って,経済教育の“未来”は,いわゆる学力低位層にとっても“明るく未来ある”学習でもある。本論文では,以上のようなユニバーサルデザインをふまえた授業事例を紹介する。