経済教育
Online ISSN : 2432-9150
Print ISSN : 1349-4058
主体的学習をめぐって
佐々木 隆生
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2018 年 37 巻 37 号 p. 4-9

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抄録

 主体的学習は,人間が「知る」ことを喜びとすること,また「知」は「問いかけ・語りかけ・反省的応答」を不可欠とすることに基づいている。エリート段階の高等教育は,フンボルト理念にしたがって主体的学習を前提としたが,高等教育がマス段階・ユニヴァーサル段階に移行し,高等学校教育と大学教育の接続が機能不全となり,かつての教育は困難となり,アクティブ・ラーニングをはじめとする教育改革が求められている。しかし,現在の政策の中で追求されている主体的学習は,過去の反省と十分な概念に基づかない問題を抱えている。経済教育には,主体的学習の意味を掘り下げ,学生が主体的学習者となる大学教育を実現することが求められている。

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© 2018 経済教育学会
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