「直接金融・間接金融」に関して,中学校では社会科の公民的分野,高等学校では現代社会,政治・経済において文系理系を問わず,必ず2回は学習する内容である。そこで,国立系S大学の学生の理解度を把握するために,教職科目の一つである「現代社会と子どもの学習」履修者を対象として実施したレディネステストにおいて,理数系学部に所属する大学生の約6割が,直接金融・間接金融がどういうものであるか説明することができなかった。
本稿は,経済・法律を専門としない大学生に「直接金融・間接金融」とそれに関わる経済事項を,確実に理解させるためにはシミュレーション教材を活用した授業を展開することが有効に作用することを実証したものである。