2019 年 38 巻 38 号 p. 116-122
金融教育が徐々に普及してきた現在,これからの金融教育は更なる実効性を求められることになる。具体的には,教える相手の金融リテラシーの現状を把握し,その実状に沿った教育を実施する必要がある。さらに重要となるのが,実施した教育はどの程度の効果をもたらすのか,という教育効果の測定である。そこで筆者の所属大学において,全15回を使った金融教育をプランニングし,その実施と,それがどのような効果を持つか,効果測定を行った。本論文は[Ⅰ]実際に大学で行った授業,[Ⅱ]その授業の内容を決定づける事前調査,[Ⅲ]その授業の効果,の3点について整理,分析を行った。