2018 年 102 巻 p. 1-9
福岡県(宗像市・みやま市),新潟県(糸魚川市)および鹿児島県(屋久島) から獲られた 5 個体の標本に基づいて本属の標徴を改め,種の標徴を与えた.これらの個体は,胴感杯の後部側面が三角形に尖っていること,胴感毛が緩やかに曲がっており,その刺の数が 15-17 本であること,背毛 ti が ms より前方に位置すること, 背毛 p1,p2,p3 は他の背毛と同様に基部が太く先端に向かって細くなること,基節毛 4c が存在すること,基節毛 3b と 4c は 3c と同様に細長く途中で大きく曲がっていることなどの特徴で,模式種に基づく原記載とは異なっていることが分かった.本種は,これまでの記録から北海道(久遠郡せたな町)から鹿児島県(トカラ列島・中之島)までの日本の冷温帯から暖温帯までの多くの地域で採集されていることや,生息場所の多くは樹木下の土壌であることが分かった.