Mongoloniscus koreanus Verhoeff, 1930の成長にともなう形態変異を明らかにするため,様々な体サイズ間で形態比較を行った. 楕円フーリエ記述子を用いた解析の結果, 二次性徴である第1腹肢外肢と第7胸脚腕節が成長とともに変化していることが示された. また,第2触角末端の2つの節の長さ比も体サイズにともなう形態変異が認められた上, これらの形態変異は同所的に生息するM.vannamei(Arcangeli,1927)の形態変異を内包することが分かった. 一方, noduli lateralesの位置は, 種内変異がほとんど認められず, また, 2種間で明瞭な違いが認められた. これらの結果は, 二次性徴や触角の長さ比のみに基づき種同定を行うと, 小型の. M. koreanusとM. vannameiを誤同定する可能性があることを示している. また, 本研究は, 陸生ワラジムシ類の形態研究に楕円フーリエ記述子を利用した初めての研究である.