地域社会の産業構造が教育全般に、重要な影響を及ぼしている事はいうまでもないが、特に日本の農山村におけるような、アジア的生産様式と、宿命的産業立地条件は、決定的な因子として、パーソナサティの形成に作用してくる。勿論、今日、この課題に取組んで地域社会の教育計画を立案するために、相当者の血の滲む努力がなされているが、多くの場合、根強く、深い、抜本的問題に突き当り「制約と順応」「克服と創造」の間に、其の方途を見失うのである。それらは、封建的遺制や伝統的生活条件に、複雑に相関している地域産業構造の問題を、その地域内で解釈し解決しようとした所に、主とした困難性があった、特に経済の問題は、コンミニケイションの発達した今日、日本的視野、否、世界的視野にたって、他地域とのコンモン・コンサーンとして、問題がインテグレートされる事がなければ、解決の原理は発見できない。
この論拠にたって、今一度両者の相関関係から問題を搾り、考究してみた。