環境情報科学
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Print ISSN : 0389-6633
研究論文
洋上風力発電をめぐる地域社会の移行における課題と提言
秋田県を事例に
山口 健介田嶋 智勝野 智嵩城山 英明
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2024 年 53 巻 2 号 p. 55-64

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抄録
本研究の目的は,地域社会に洋上風力発電が与える影響を,地方スケールの社会技術レジームに着目して分析することである.再エネ海域利用法の下,国内の他の地域に先行して洋上風力発電事業の導入が進む秋田県を分析対象地とし,洋上風力発電事業導入過程の現状分析と課題抽出を行った.既存の社会・権力関係を越えて社会技術レジームが急進的に変容―移行―するためには,移行アリーナにおけるアクター間連携の深化を契機とした異なるサブシステム間の共進化が必要とされる.再エネ海域利用法の下,洋上風力発電に積極的な秋田県においては,産業サブシステムおよび政策サブシステムが各々漸進的に変容してきた一方で,サブシステム間の共進化は明示的ではない.今後,移行アリーナの成熟を土台として,サブシステム間の共進化が生まれることで,地域社会にとって望ましい移行が生じることが期待される.
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© 2024 一般社団法人環境情報科学センター
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