栄養学雑誌
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体重管理における誘惑場面の対策尺度の作成
玉浦 有紀赤松 利恵武見 ゆかり
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2010 年 68 巻 2 号 p. 87-94

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抄録

目的:本研究では,体重管理における誘惑場面の対策を評価するための,対策尺度を作成することを目的とした。
方法:本研究の対象者は,自己記入無記名式の質問紙調査に協力を同意した994名であった。調査では,誘惑場面における対策頻度,誘惑場面における対策の行動変容ステージ,体重管理の知識,誘惑場面におけるセルフエフィカシー,現体重に対する認識,属性についてたずねた。分析では,対策の項目選定,探索的因子分析,信頼性(クロンバックα係数)の検討,確証的因子分析,妥当性の検討を行った。
結果:解析対象者は752名だった(男性518名,女性210名,不明24名)。誘惑場面の対策として,「行動置換」11項目,「食べ方」12項目,「刺激統制」5項目,「ソーシャルサポート」4項目,「認知的対処」12項目の5尺度(計44項目)が作成された。各尺度の内的整合性(クロンバックα係数)は0.68~0.87であった。TTMの行動変容ステージが高い,あるいは,体重管理の知識が「ある」と回答した者ほど,対策尺度得点は高かった。
考察:体重管理を行っている者において,5つの新しい対策尺度の妥当性と信頼性が確認された。本研究は横断的な調査であるため,今後は,体重管理の誘惑場面における対策とセルフエフィカシーの関係について,縦断的に検討を行う必要がある。
(オンラインのみ掲載)

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© 2010 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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