2010 年 68 巻 3 号 p. 193-200
食事摂取基準の改定版が2009年に公表されたことから,「日本人の食事摂取基準(2005年版)」に基づいて決定された食事バランスガイドのサービング数について再検討を行った。
まず,ある集団における18~69歳男女の摂取量データベースを用いて,食事バランスガイドの定義に従い5つの料理区分の1SVに相当するエネルギー及び栄養素の参照用データを示した。次に,「日本人の食事摂取基準(2010年版)」に適合させるために,次の前提条件を設定した。すなわち,穀類エネルギー比率は45.0%(1,400kcal)~50.0%(3,200kcal),たんぱく質エネルギー比率は14.0%,カルシウムは500mg(1,200kcal)~750mg(2,600kcal),副菜SVは5(1,600kcal)~7(2,800kcal),5料理区分以外からのエネルギーは30kcal(1,200kcal)~50kcal(3,200kcal)とした。
この前提条件に基づき,5つの料理区分に対するサービング数の組合せについて,1,200~3,200kcalを200kcal毎にカバーしながら,試算を行った。その結果,現在の食事バランスガイドにおけるサービング数の組合せとほぼ同様の数値が得られたが,主菜についてはやや多め,主食についてはやや少なめの数値となった。
今回作成した食事バランスガイドの新しいサービング数は,「日本人の食事摂取基準(2010年版)」に良く適合しており,より幅広いエネルギー範囲に対応し,多様な対象へのより良い適用につながると考える。
(オンラインのみ掲載)