メッシュ気候値および人口メッシュデータを利用して都道府県別に求めた日最高気温,日平均気温の平年値と幼児,児童,生徒の身長および体重の都道府県別平均値との関係を調べた結果,負の相関が認められた。すなわち,気温の低い地域ほど,身長は高く,体重は重くなるという地域相関が見られた。これら気温と体格との地域相関の原因については,地域による栄養素摂取量の過不足やバランスの違い,ベルクマン・アレンの法則による遺伝的適応などについても考えられたが,気温などの環境要因による食物摂取量への影響などが体格の地域差をもたらしている可能性が考えられた。またこのことは,現代の日本における栄養素摂取量やそのバランスが地域によらず均一化したため,結果的に気温などの環境要因が食物摂取量などに与える影響が体格の地域差として表面化している可能性があると考えられた。
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