栄養学雑誌
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実践報告
スポーツクラブに子どもを通わせている母親への食教育の実践ならびに父親の栄養・食生活の報告
大木 薫稲山 貴代
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2011 年 69 巻 3 号 p. 135-147

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抄録

【目的】サッカークラブの練習に参加する子どもにつきそう母親を対象に,食事バランスガイドを教材として,自分の食事のバランスを判断し,バランスのよい食事をデザインできることを学習目標に実施した食教育介入の報告と,介入前後での変化を検討することを目的とした。あわせて母親への食教育介入前後でみた父親の食生活を検討した。
【方法】質問紙調査に回答が得られた24夫婦を集計対象とした。食教育は子どもの練習グランド脇の施設で,練習時間帯に,管理栄養士などが計6回実施した。事前事後に,QOL,健康・栄養状態,食物摂取状況,行動,中間要因,準備要因,属性,食環境の枠組みからなる自記式質問紙調査を実施した。
【結果】母親の「自分の食事内容の問題を判断できる」食スキルは向上した。「主食,主菜,副菜のそろった食事を1日に2回以上食べること」,「副菜を1日に2回以上食べること」,「緑の濃い野菜を1日に1回以上食べること」に関し,食態度,行動変容段階などにおいて好ましい変化がみられた。父親は母親と比較して食生活は好ましいものではなく,父親の前後での差は食知識及び食情報交換・活用行動の一部だけであった。
【結論】母親の食教育への参加は高く,食教育プログラムは実現しやすい企画であった。母親には主食・主菜・副菜をそろえること,副菜として野菜を食べることに関する食態度,行動変容段階に好ましい変化がみられた。

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© 2011 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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