2013 年 71 巻 2 号 p. 67-75
【目的】教科学習における食に関する指導の進め方について解説したWeb教材「先生のための食育教室」を開発し,その利用可能性を検討した。
【方法】大阪府下の小学校でチームティーチング形式により実施された教科学習における食に関する指導について解説したWeb教材を開発し,教諭・栄養教諭および栄養教諭免許取得をめざす学生の視聴により評価を試みた。評価アンケートは,①画面レイアウト,操作性等の技術面,②学習意欲を高めるためのARCSモデルによる注意,関連性,自信,満足感の4項目,③教材としての有用性の側面についてたずねた。併せて自由記述による意見を求めた。
【結果】教諭19人,栄養教諭12人,学生84人がアンケートに回答した。技術面およびARCSモデルの4項目に関する問いに,教諭・栄養教諭および学生は,それぞれ80%以上が肯定的に回答した。教材の有用性に関して「教科学習における食に関する指導を実施するために役立つ」という問いに教諭・栄養教諭の77.4%が「そう思う」と回答した。「教科学習における食に関する指導の進め方について知ることができた」という問いに学生の96.4%が肯定的に評価した。他方,自由記述による意見からスライド送りやナレーションの速さ等の改善点が挙げられた。
【結論】評価結果から当教材は,教諭・栄養教諭ならびに栄養教諭をめざす学生向けの教材として利用可能であることが示唆された。