栄養学雑誌
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原著
ブルガリアヨーグルト摂取による糞便中ビフィズス菌の増加作用を検証するプラセボ対照二重盲検比較試験
飯野 久和青木 萌重野 千奈美西牟田 みち代寺原 正樹粂 晃智水本 憲司溝口 智奈弥小泉 明子竹田 麻理子尾﨑 悟佐々木 一内田 勝幸伊藤 裕之
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2013 年 71 巻 4 号 p. 171-184

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抄録

【目的】プロバイオティクスを添加していないブルガリアヨーグルトの整腸作用を調べるため,ブルガリアヨーグルトの摂取による糞便中ビフィズス菌増加作用をランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で評価する。
【方法】女子学生62名をヨーグルト摂取群(ブルガリアヨーグルトを摂取する群)と酸乳摂取群(ヨーグルトと同じ乳成分からなる乳飲料に乳酸を加えてヨーグルトと同じpHとした酸性乳飲料を摂取する群)に分けた。両群ともに摂取前観察期(2週間),ブルガリアヨーグルトまたは酸乳を1日 100 ml摂取する摂取期(4週間:前半2週間,後半2週間),摂取後観察期(2週間)を設け,糞便中の腸内細菌叢の解析を2週間毎に行い,糞便中ビフィズス菌数を調べた。
【結果】試験の除外対象者(過敏性腸症候群様の者,抗生剤の使用者等)および脱落者を除いた女子学生(ヨーグルト摂取群が20名,酸乳摂取群が25名)を評価対象として統計解析した。試験食品を4週間摂取した際の糞便中ビフィズス菌の生菌数は,酸乳摂取群に比較してヨーグルト摂取群が有意に高値となった。
【結論】以上の結果より,ブルガリアヨーグルトの摂取によって糞便中ビフィズス菌数が増加し,腸内細菌叢が改善されることが示された。

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© 2013 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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