栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
Print ISSN : 0021-5147
ISSN-L : 0021-5147
実践報告
管理栄養士養成課程の導入教育における早期体験学習の実践
藤岡 由美子沖嶋 直子水野 尚子中島 美千代
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 71 巻 6 号 p. 330-340

詳細
抄録

【目的】大学生が入学後の早期に,医療・福祉・保健の現場に触れる体験を通して,専門職に対する職業観を育み,大学での基礎的な学習に対するモチベーションを高め,専門職としての将来像を描くことを目的とした早期体験学習を,管理栄養士養成課程における導入教育として実践した成果を報告する。
【方法】2007~2012年度の6年間に計12回の早期体験学習を実施した。1年生を大学病院に引率したことを機に,乳幼児健診や病院祭を見学する形式に発展させた。体験直後には早期体験学習の目的が達成されたのかを確認するため,体験者の4年次には早期体験学習が参考になったことや大学生活に与えた影響を検討するため,事後評価を実施した。
【結果】体験直後の評価では,体験前は平均で68.5%が参加を楽しみにしており,体験後は平均で87.5%が参考になったと回答した。体験者の4年次の評価では,約85%が管理栄養士の業務が参考になり,約40%が臨地実習のイメージを明確にしたとして,約85%が早期体験学習への参加を後輩に勧めたいと回答した。
【結論】早期体験学習は,職業観を育み,学習のモチベーションを高め,将来像を描く,という我々の目的だけでなく,社会における管理栄養士の使命や役割および活動分野の理解を通して管理栄養士を目指す気持ちを育む,という管理栄養士養成課程における導入教育の一般目標を達成するための実践であったことが示唆された。

著者関連情報
© 2013 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
前の記事 次の記事
feedback
Top