栄養学雑誌
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住まい別にみた大学生の朝食欠食習慣に及ぼす要因
長幡 友実中出 美代長谷川 順子兼平 奈奈西堀 すき江
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2014 年 72 巻 4 号 p. 212-219

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抄録

【目的】近年,若者の朝食欠食率は高い状況が続いており,それに対する対策が必要であると考えられる。本研究では,大学生の朝食欠食習慣に関連する要因を住まい別に検討し,その対策を考えるための基礎資料を得ることを目的とした。
【方法】2012年6~10月に,愛知県T大学の3年生と4年生の学生(調査当時学生数:男性995名,女性744名)に開講されている科目の履修者483名を対象に自記式質問紙調査を行った(有効回答数397件)。調査項目は,属性の他,朝食摂取頻度,生活習慣や食習慣についてである。解析対象は,朝食摂取頻度と住まい(自宅生か下宿生か)に無回答であった11件を除外し,386件とした。住まい別に,χ2 検定およびロジスティック回帰分析(強制投入法)を行い,朝食欠食習慣に関わる生活習慣や食習慣について検討した。
【結果】自宅生では,コンビニ弁当や惣菜の利用頻度が週3日以下の者と比較して週4日以上の者の朝食欠食習慣ありのオッズ比は2.54(95%CI:1.22~5.26)であった。また,下宿生では,アルバイトをしていない者と比較して,している者の朝食欠食習慣ありのオッズ比は4.63(95%CI:1.49~14.41)であった。
【結論】自宅生では,コンビニ弁当や惣菜の利用頻度,下宿生では,アルバイトの有無が朝食欠食習慣に関係していた。このことから,自宅生と下宿生では,朝食欠食習慣に及ぼす要因が異なると考えられる。

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© 2014 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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