栄養学雑誌
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総説
キウイフルーツの消化促進効果に関する研究動向
─アクチニジンの役割─
西山 一朗
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2014 年 72 巻 6 号 p. 292-301

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抄録

貯蔵性に優れ,いつでも手軽に食べられるキウイフルーツは,日本を含め世界中で食されている。ビタミンC,カロテノイドの一種ルテインなどを含んでおり,食物繊維も豊富な機能性の高い食品である。さらに,キウイフルーツ果実には「アクチニジン」という特徴的な成分が含まれている。アクチニジンはキウイフルーツから見出されたたんぱく質分解酵素で,近年,その消化促進作用が注目されている。
本稿では,アクチニジンの酵素学的な特性を概説するとともに,in vitroおよびin vivoにおけるアクチニジンの消化促進効果を検証した最新の研究結果を紹介する。これらの研究結果から,アクチニジンは消化管で様々な食物由来たんぱく質の消化を促進し,胃の内容物排出速度を速めることで,アミノ酸吸収の効率を高める可能性が示唆された。高い栄養価に加え,消化促進効果が期待できるキウイフルーツは,健康の維持増進に有用な果実の一つと考えられる。

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© 2014 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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